(推理小説・探偵小説)覚書

読後の覚書(主に推理探偵小説)

小説読み方談義

『文学部唯野教授』 筒井康隆

駄弁の効能(小説読み方談義4) イーグルトンの『文学とは何か』を訳したのは大橋洋一であるが、その大橋洋一の編集による『現代批評理論のすべて』という現代の批評理論を通覧するために便利な書籍がある。この書籍自体が膨大な文献紹介書みたいなモノなの…

『批評理論入門 「フランケンシュタイン」解剖講義』 廣野由美子

小説読み方談義4 ここの処、小説を読むのと並行して、文学理論に関係する様な書籍を選んで読んでいる。少し前に読んだイーグルトンの『文学とは何か』は個人的には近年稀に体験した衝撃であって、この領域の書物・理論に関する興味が増々膨れ上がって行く日…

『文学とはなにか-現代批評理論への招待』 テリー・イーグルトン 大橋洋一 訳

小説読み方談義3 今までに読んだ書物の内容をほぼ総て忘れてしまっている事の虚しさから読後の覚書を書き残し始めたのではあるが、文章を書けば書く程、自らの読みの浅さを思い知り、これではいかん、何とか改善したいと思い、更には他の人の素晴らしい批評…

『読書の方法』 吉本隆明

小説読み方談義2 ここの処、小説の読み方や読書の仕方みたいな事柄を扱った書物を割と読み始めている。こういう類の書物を読もうと思い立ったのは、『小説のストラテジー』の覚書を書いた時にも書いたのだけれども、小説をより良く味わいたいと最近頻りに感…

『小説のストラテジー』 佐藤亜紀

小説読み方談義1 文芸作品を読む事それ自体は当然上質な娯楽であるが、只読むだけではなく、その内部構造を解き明かそうと努力する事もまた別種の娯楽である。私の場合は、今までは只々文章を読み、その空気を味わうだけで満足しており、そしてその内に内容…