(推理小説・探偵小説)覚書

読後の覚書(主に推理探偵小説)

谷崎潤一郎

『潤一郎犯罪小説集』 谷崎潤一郎

谷崎潤一郎が描く妖しい犯罪心理 谷崎潤一郎は江戸川乱歩が心酔していた通り、実に妖しげな香りの犯罪小説を色々と書いていた。谷崎が犯罪小説を書いていた頃、つまり大正の中頃は、谷崎のみならず、芥川龍之介や佐藤春夫も似たような味わいの小説を書いてい…

『途上』 谷崎潤一郎 / 『赤い部屋』 江戸川乱歩

プロバビリティーの犯罪 谷崎潤一郎は何でも書く人であって、怪奇幻想がかったものや探偵小説の様なものも時々書いていた。日本の創作探偵小説と言うと、何度も何度も書いているけれども、黒岩涙香の『無惨』が明治の半ばにポンと出た後は細々と何とか続いて…